ゆとり情報通信№180(2018年8月号)より

~ご利用者様との出会いと別れ~

 

私がこの仕事をやり始めてから18年経ちました。

毎日たくさんの方と出逢い、忘れられない出来事が色々あります。

そんな中で寂しい“お別れ”もたくさん経験してきました。

今年の4月に“お別れ”をしたM様との出会いは、私の人生の中で特に大切なものの1つです。

 

初めてM様とお会いしたのは13年程前のことです。M様は進行性の病気を患っておられましたが、

当初はお元気で、仕事を続けながら治療をされていました。

歩行器や杖で歩けていたのが、車いすが必要になり、勤務先まで車いすの選定相談にお伺いさせて

頂いたこともあります。車いすに乗ってお仕事を続けておられましたが、それがだんだんと難しくなり

退職されました。それからはベッド上での生活になって、自身では起き上がったり立ち上がったりすることが

難しくなり、車いすに乗り移るための『移乗用リフト』を納品したりもしました。

その後、気管切開をされ、M様とお話しする事が出来なくなってしまい、介護用品の注文やレンタル品の

点検などで私に用事がある時はいつもメールでやり取りをさせて頂くようになりました。

それもM様との思い出の1つです。

 

そのM様の奥様から『天気のいい日は自宅の庭のテラスに出たいので、オーニング(日よけのテント)の

工事をすることが出来ないか?』とご相談されたのは今年の春のことでした。

『部屋からベッドのままテラスに出て、自宅で外の空気を感じたり、ランチが出来たらいいなぁ』という事からの

ご希望で、もちろんそれを叶えて差し上げたいという気持ちで、オーニング作成のご相談を進めていました。

 

しかし、着工の段取りが見え始めたある日、突然ケアマネージャー様から『M様がご逝去された』という連絡を

受けました。オーニングが完成したテラスでランチをしたり、お花見をしたいというM様の願いを叶えて

差し上げられることは出来ませんでした。そしてM様のご希望を叶える為の工事でしたので、

この話はもう無いだろうと私は思っていました。しかし奥様から、『オーニング工事をして、完成したテラスを

見る事を楽しみにしていた本人の希望を叶えて欲しい』というお話を頂き、本当に胸が締め付けられる

思いになりました。

 

そして先日、ご本人様が楽しみにしておられたテラスが完成しました。ご家族様に喜んで頂き、

私も本当にうれしい気持ちでいっぱいでした。M様との出会いがあったことで、福祉用具専門相談員として

様々な経験をさせて頂きました。

この経験を胸に刻み今後も頑張って行きたいと思います。M様、ご家族様本当にありがとうございました。

(営業:荒木)

部屋から見えるテラス

工事をしたオーニング(日よけテント)

 

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当社が利用者様などへ向けて毎月発信している情報紙です。

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